行政実務研修生日記㉖
土曜日ですね。今日は家に友人夫婦が遊びに来てくれました。
東京にいると、普段会えない友人に会えるのも、研修生として東京に住むことの良いことですね。
今日は、前回の記事の予告通り、普段会えない人たち、具体的には国会議員なんかに会えることについて書いていきます。
行政実務研修生のお仕事【珍しい人と会えます】
文科省で働いていると、職員の意見を拾おうとする様々なイベントがあることに驚きます。
省として、若手の意見、子育て世代の意見、女性職員の意見等、職員が働きやすくなるように、という目的で様々な立場の意見をもらおうとしているわけです。
こういう点は、大学よりもずーっと進んでるように思います。
まあ、大学よりはるかにハードな職場ですから、職員が働きやすいように、辞めないように、という点では緊急度が高いのでしょう。
そういったイベントには、文科省の結構偉い人なんかも参加してくれます。
例えば、今回私はとあるイベントに参加してきましたが、文科省の副大臣が参加してくれました。
大臣、副大臣、政務官は国会議員ですから、ちょっと会ってみたいですよね、国会議員ってどんな人たちかなーって。
研修生から大臣までの役職はざっくりこれくらいあります。
大臣・副大臣・政務官>審議官>局長>課長>課長補佐>係長>次席・主任>研修生・係員
これだけ職階があると、普段の業務では研修生が大臣らに会うことなんてまずありません。
とりあえず2か月働きましたが、課長とすらそんなに話すことはありません。
大臣クラスと会うのは、基本課長以上なんで、今回参加したイベントはとても貴重な機会でした。
国会議員も我々と同じ人間でした
国会議員というと、なんかすごい能力のある人だったり、頭キレキレでスーパーな人たちなのかなーって思う部分も個人的にはあったのですが(田舎者ですみません)、
話してみると普通の人でしたね。もちろん、国会での顔とはまた違うのでしょうけど、
私はそのイベント後、喫煙所で会って少し談笑させてもらいまいたが、
良い人でした。相手の考えていることをしっかりと汲んでくれようとするとても良いひとでしたね。またお話したいと思いました。
政府の人間もみんな普通の人間です。
文科省で働いてわかったのは、文科省の職員、つまり官僚ですが、この人たちもみんな普通の人間だということ。
もちろん、みんな頭良くて能力が高いんだけど、人柄というところでは、なんにも怖くない。偉ぶらない。
私は大学で勤務した最初の頃、文科省から電話がかかってきて、
うわ~、やべー、文科省の官僚から電話かかってきた~、なんかすげー人から電話キター!
なんて感じだったんですけど、実際、組織の中に入ってみると、みんないい意味で普通だなと。
そして、今回副大臣とも会って、国会議員も普通の人間なんだなと、安心しました。もちろん全員ではないのでしょうけども。
これで安心して物怖じせずに、議員と会っても話せそうです。
副大臣に言ってみました。霞が関の働き方改革
今回のイベントで、副大臣と話す中で、霞が関の長時間労働の原因は国会対応であることが話題になったので、次のことを言ってみました。
”2日前までに野党議員は質問通告を省庁に出すというルールがあるんだから、2日前に来ないのはやんなきゃいいじゃないですか”
はい、若干空気が怪しくなりました(笑)
こんなこと言うのは多分私くらいでしょうね。
文科省の職員にとっては、なんだかんだ言ったって議員からきた要求は絶対という根強い文化がありますし、それが常識ですからね。
それを”やんなきゃいい”というのはめちゃくちゃアウトローな発言でしょうから。
でも、外からきた人間にから見れば、おかしいことだし、なんで遅れてきた質問にそれぞれの生活の時間まで吸い取られてこき使われなければならないのか。
一般的にみれば、取引先が無茶な要求が来たって、よっぽどのことでなければ徹夜で対応なんてしないじゃないですか。
納期を交渉するなり、対応可能な日程を示してそれで納得してもらう、あるいは、追加料金で対応する。
以前、私の課にきた質問の内容がおかしいことがあったので、取り下げてもらうか、内容を変更するよう、依頼元に言った時、議員のメンツを潰すわけいかないからなんとか受けてくれ、議員事務所にそんなことを言ったら失礼だ、
と言われたことがありました。
では、我々には失礼ではないのか?議員の調整が済んでないで質問するから我々が無駄な時間を要しなきゃならないのは失礼じゃないのか、ということですよ。
議員に気を使いすぎなのは中央省庁の悪い所ですよ。本当に。
そんな若干の不満もあったので先ほどの発言を副大臣にぶつけてみました。
でも、副大臣はちゃんと受け止めてくれました。
「大事だよね、そういう視点は。外の人からしかわからないことだし、そういう意見を広げていかないとね」、と。
一方で、野党議員の厳しいスケジュール事情も教えてくれました。
今は野党議員が少ないから、各議員が担当する委員会が多く、毎日のようにいくつもの委員会に質問を出さなければならないから、どうしてもギリギリになってしまうと。
つまり、野党が少ないと、省庁、役所が割を食ってしまうということを教えてくれました。
風吹けば桶屋が儲かる的なね。
こういう影響とか関係性って、多分、先ほどの意見を言わなければ聞けなかったことなので、言って良かったなと思います。
勉強になりました。
霞が関の働き方改革には時間がまだまだ年数がかかる(私見)
ということで、副大臣に生意気にも真っ当な意見をぶつけましたが、
いろいろ事情を教えてもらいましたが、それらを総括して、よくニュースで報道される霞が関の長時間労働について考えてみると、
まだまだ年数がかかるなと、思います。
理由は、議員の質問に特急で対応しないということを声を大にして言うことが、省庁内では
もはやタブーというか、キチガイみたいな空気が若手にすらあります。
若手にすらそんな空気があるんだから、議員=絶対が当たり前の上の世代がまだまだいる現状では、こういう文化の革命が起きるには、今の20~30代が偉くなる20年後くらいまで先ではないかと私は思います。
あるいは、若手で全省庁で徒党を組んでストライキをするか。
でも、その先のキャリアの心配もあるから後者が起こる可能性はないでしょうね。
国会で野党議員が質問をすることで与党の法案の粗が見えることは多分にあるので、大事なことですが、
これだけ霞が関の長時間労働が世に知れ渡っているんだから、改革しないといけませんよね。
まあ、イベントの趣旨は働き方改革に関することではないですが、その動きの一環での今回のイベントと私は理解していますし、
だからこそ、私の意見をぶつけてみました。
まとめ:影響力のある人に研修生も会えるし、ものを言えます。
ということで、偉い人のあった話から、働き方改革の話になってしまいましたが、
言いたいことは見出しのとおり、行政実務研修生として文科省に行くと、政治に影響のある人に会えるし、直接自分の考えていることを言えるということです。
大学で働いているとそんなことは絶対にありえないことですし、文科省にいても普段は起こりえないことです。
行政実務研修生で文科省にいったら、大臣とかに会えるイベントに積極的に参加してみると良いと思いますよ。
今日は以上です。